遠州大念仏えんしゅうだいねんぶつ
開催地 | 浜北区を中心に各地で |
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遠州大念仏とは
初盆を迎えた家の死者の霊を慰めるために踊られる集団念仏踊り。元来は先祖供養の宗教的芸能。現在では約70組が遠州大念仏保存会に所属し、活動をしている。
踊るように太鼓が打ち鳴らされるのが特徴。浴衣姿に笠をかぶり、念仏や歌枕(うたまくら)などを唱えて演じられるのが基本だが、その衣装・歌・踊りなどはそれぞれの組によって異なる。
また、歌枕は死者に捧げる唄であるため、祖父母・親・嫁・兄弟姉妹など、亡くなった人に合わせて詞章が異なる。
三方原合戦で戦死した武田・徳川両軍の霊を慰めるため、1574(天正2)年、徳川家康が了傳(りょうでん)という念仏僧を招き、犀ヶ崖(さいががけ)で供養をしたのが始まりとされるが、成立はもっと古い。農作物の害虫や疫病を避けるために始められたという説もある。
中世に始まった大念仏は遠州一円に広まり、江戸時代の最も盛んな時には約280の村々で行われていたが、組同士の争いが度々起こったため、禁令が出されることもあった。1930(昭和5)年には各地の代表者が集まって遠州大念仏団が結成され、以後、この団体に所属する念仏団の念仏を遠州大念仏と呼ぶようになった。そして、遠州大念仏は全国的に知られるようになり、1972(昭和47)年には浜松市無形民俗文化財に指定された。
市内中心部では毎年7月15日に行われる。また、中区の犀ヶ崖資料館の前庭では三方原合戦の戦死者供養のために遠州大念仏が行われる。
行事順序
初盆宅の手前で30~40人ほどが隊列を組む。組の責任者である頭先(かしらさき)が先導し、続いてひんどうろうという飾り提灯を持った頭(かしら)、幟(のぼり)、双盤(そうばん)、笛、摺鉦(すりがね)、太鼓、組名入りの提灯を持った供回り(ともまわり)、最後に行列の秩序を整える押しというように順に並んで歩く。
道囃子(みちばやし)を演奏しながら初盆の家へと入り、念仏や歌枕などが唱われ、初盆宅の供養が行われる。その後、休憩をはさんで礼念仏が歌われ、再び隊列を組んで初盆宅の庭を後にする。
関連項目
参考
『指定文化財のしおり』(浜松市教育委員会)
『静岡県民俗歳時記』(静岡新聞社)
『村ごとの舞』(静岡新聞社)
『静岡県の民俗芸能』(静岡県教育委員会)
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