塩の道しおのみち
塩の道とは
海岸部から内陸の山間部へと、暮らしに欠かせない塩が運ばれた道を塩の道といい、縄文時代からあったものと思われる。こういった道は全国各地にあり、塩などの物資だけでなく、文化や信仰・生活習慣なども運ばれる交易の道として発展していった。
浜松の塩の道
浜松市天竜区には全国にある塩の道の中でも最も古く長い塩の道が通っている。
太平洋に面した相良(さがら=現:牧之原市)を起点に掛川から森・春野を経て水窪(みさくぼ)の青崩(あおくずれ)峠を越え、信州の塩尻へ至る。また、塩尻へは日本海の糸魚川(いといがわ=現:新潟県糸魚川市)から入るルートもあり、これらを合わせると長さ350キロメートルにも及ぶ。
古代にはヒスイや黒曜石が運ばれ、戦国時代には三方ケ原の戦いの侵略路として武田信玄が青崩峠や兵越(ひょうごし)峠を越えて浜松城へと向かった。そして近世には秋葉山などへ参詣する道でもあったため、この道は秋葉街道とも呼ばれている。
現在では交通機関が発展し、塩の道はその役割が薄れてしまったが、各地に常夜灯や道祖神、石の道標などが残っている。
関連項目
参考
『天竜歴史街道』(天竜区役所区振興課)
『静岡県の歴史散歩』(山川出版社)
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