浜松城はままつじょう
郵便番号 | 430-0946 |
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所在地 | 浜松市中区元城町100-2 |
Tel | 053-453-3872 |
URL | http://www.hamamatsu-navi.jp/shiro/index.html |
浜松城の築城
徳川家康は当初、現在の磐田市見付に城を築き始めていたが、それを中止して引馬に城を築くことにした。それは見付で敵の攻撃を受けたときに、信長方からの援助を受けるのに不便と信長に意見されたからだと記録にある(『当代記』)。
家康は1570(元亀元)年6月引馬に移り、引馬城をふくめてその西南の丘陵地に新たな城(浜松城)を築いた。そしてこの入城の際に引馬を浜松と改めた。越前(福井県)や近江(滋賀県)への出征で慌しい中、築城の工事が進められていったが、工事の際、天守の石垣が崩れ奉行が亡くなっていると記録にある。
浜松城の位置
浜松城の位置は三方原台地の東南端、天竜川下流の平野を望む河岸段丘の傾斜面に築かれている。天竜川・遠州灘海岸まで約5.5km、浜名湖東岸へ約12kmの距離である。
城のすぐ北は作左谷(さくざだに)、鹿谷(しかたに)、池川谷(いけがわだに)があり、その先には三方原台地が連なる。南側には五社神社・諏訪神社のある常寒山(とこさむやま)、東側から南へは浜松市街を見下ろせる。地理的にも実に非常に守りの堅い平山城(ひらやまじろ)といえる。
城郭
城郭は南北約510m、東西約500m。その中に天守曲輪(てんしゅくるわ)・本丸・二の丸・三の丸が西の高台から東に傾斜する段階状にほぼ一列に並んでいる。土居で塀をめぐらし、とくに重要な部分には石垣が築かれた。
西端の最高の場所に位置する天守曲輪は東北と東南に張り出すいびつな菱形。周囲に低い土塁があり、その下に石垣がめぐらされた。東に天守門、西面に埋門(うずみもん)という裏門がある。天守曲輪内部にある天守台は約240㎡(70坪)。天守台北西にさらに高くした約40㎡(10坪)の平地が八幡台とよばれ、おそらく八幡大菩薩がまつられたと思われる。
天守閣・本丸・二の丸
天守閣に関する資料はないが、おそらく天守台に置かれ、南東に広がる浜松市街地、東の小笠山や霊峰富士、南の遠州灘や北の三方原台地を望むことができた。天守台内部には井戸があり、1957(昭和32)年に再建された際には、ここから宋銭が出土した。現在も井戸の跡(現在深さ約7m)を見ることができる。
天守曲輪の東どなりに空濠(からぼり:現在は埋め立てられた)を隔てて本丸があった。正面に鉄門、北に富士見櫓(ふじみやぐら)、東南には菱櫓(ひしゃぐら)、鉄門西の石垣には多聞(たもん)が設けられていた。天守曲輪と本丸との連絡路は二重になった石垣(高さ7m)に沿った急な石段。また天主曲輪の外側にはさらに清水曲輪、西端城(にしはじろ)曲輪を設置するなど、天守閣をしっかり守っていたことが伺える。
本丸からさらに一段低くなる東隣の二の丸に城主の居館があり、ここが江戸時代を通じて藩政の中心になったと思われる。現在の元城小学校と市役所の一部にあたる。二の丸北の広場には米蔵、西の広場は二代将軍秀忠の誕生屋敷跡ということで、誕生の松が植えられ、その北には1580(天正8)年に常寒山に遷座した五社大明神跡で五社松があったという。二の丸の南には御成厩とも呼ばれた馬屋、二の丸の東北は古城・引馬城の跡があった。
野面積の石垣
現在も当時の面影を残す石垣はどれも野面積(のづらづみ)という自然石を上下に組み合わせて積み上げられたもの。表から見ると間に隙間がみられるが、裏には細礫を用いているため水はけもよく、崩れにくい構造。特に天守台と天守門付近の石垣は大きな石が用いられ、算木積という長方形の石材を小口と側面が交互になるように積み、最大78度の急勾配になっている。
用いた石材のほとんどは大草山、根本山から浜名湖西岸の知波田方面に産する緻密な岩が使われている。浜松城の石垣は、高度な石工の技術を持った三河の職人が数多く集められ建設されたという。その優れた技術があったからこそ何百年もの風雪に耐え、私たちは現在もその姿を観ることができる。
浜松城の修築
浜松城は1578(天正6)年に修築、その後もたびたび修築された。1873(明治6)年の徴兵令発令の年には、城郭の存在意義が失われて浜松城は廃城となり、民有地になっていった。戦後の1950(昭和25)年、浜松城跡一帯でこども博覧会が開催され、博覧会終了後に浜松市動物園ができた。その後、天守閣付近の土地も浜松市が買収し、1958(昭和33)年に、市民の浄財をもとに鉄筋コンクリート3階、地下1階の浜松城を建設した。戦後の復興天守閣の中では全国的にも早い時期の建設で、今なお浜松のシンボル的存在となっている。1959(昭和34)年に浜松市の史跡に指定された。
関連項目
参考
書籍
『浜松市史』
見学
浜松城
浜松市博物館
浜松市立中央図書館
浜松といえば
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