旧二俣町役場きゅうふたまたちょうやくば
郵便番号 | 431-3314 |
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所在地 | 浜松市天竜区二俣町二俣1112 |
Tel | 053-477-4664 |
Fax | 053-477-4664 |
時期 | 休館日/月曜・火曜(祝日の場合は水曜日が休館)、年末年始 |
時間 | 開館時間/10:00~16:30 |
料金 | 入館料/無料(特別展などを除く) |
旧二俣町役場とは
1924(大正13)年に東宮殿下御成婚記念事業として二俣町役場の庁舎の建て替えが計画された。しかし、財政事情が悪かったため延期されることとなり、1933(昭和8)年の景気回復を受けて当時の森野健市町長より再び提案され、1935(昭和10)年に着工、翌年の11月に上棟、そして8月5日に竣工した。
1958(昭和33)年に市制施工によって天竜市となり、二俣町役場は天竜市役所庁舎となった。その後、1970(昭和45)年に市役所が移転すると建物は公民館や図書館などとして使用され、2005(平成17)年の浜松市との合併後は消費生活センターとして一部が使用されるようになり、現在では本田宗一郎ものづくり伝承館として利用されている。
2003(平成15)年には国の登録有形文化財となった。
建物の特徴
行政建築は著名な建築家によって設計されることが多い中、1936(昭和11)年に建てられた木造2階建ての旧二俣町役場は、地元大工である本島亥三郎(1889(明治32)年生まれ)の設計。彼はこの他にも近隣に牛乳処理施設などの洋風建築を手がけている。
桟瓦※葺の寄棟造※でやや背の高いポーチが付いており、外壁はモルタル塗りにスクラッチタイルが張られている洋式建築。上部に回転欄間が付いた縦長の上げ下げ窓が壁に並んでいる。
1階の事務所空間には漆喰塗によって丸柱に仕上げられた独立柱、2階の旧議場にはレリーフ付きの額縁などと、細部にもこだわりを感じられる。
この建物の北側には畳敷きの会議室などが設けられた建物があったが、現在は解体されている。また、建物の前庭は二俣まつりで有名な二俣諏訪神社の境内につながっており、1992(平成4)年にお祭り広場として整備された。
※桟瓦(さんかわら)/断面が波形をした瓦
寄棟造(よせむねづくり)/四方向へと広がる形状の屋根をもつ建物
大工へと伝わっていった西洋建築
明治維新以降、近代化や西洋化が急速に進む中、西洋建築の設計については外国人技士に依頼することがほとんどであった。そうした外国人技師に師事した日本人の中から後の日本近代建築の基礎を作った者が数多く生まれ、さらにそういった日本人による西洋建築の作品を見て、ほぼ独学で西洋建築の技法を身に付けた大工などが現れた。
旧二俣町役場を手がけた本島亥三郎もそのような独学によって西洋建築を手がけたひとりではないだろうか。
参考
『静岡県の歴史的建造物・歴史的町並み』(静岡県都市住宅部)
『昔に出会う景観紀行』(浜松観光コンベンションビューロー)
『静岡県のとっておき建築探訪』(静岡県都市住宅部営繕総室)
『静岡県の近代化遺産』(静岡県教育委員会文化課)
『歴史を巡る近代化遺産ベストガイド 東海』(メイツ出版)
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