スギ・ヒノキすぎ・ひのき
北遠地域と林業
遠州地域の北部と北遠地域は、気候が温暖で降雨量も多いことから森林形成に適しており、古くから林業が栄えていた。消費地である首都圏や中京圏に近い立地条件も製材業が集まる理由。明治時代、金原明善が天竜川の治水事業でスギ、ヒノキの植林をして天竜美林が誕生。吉野(奈良)、尾鷲(三重)と並び日本三大人工美林に数えられている。
商品として木材が出荷されたのは江戸時代初期。天竜川の水運を活かし、樽木流しによって掛塚港へ流し、江戸、駿府、京都へ輸送されて発展した。旧天竜市は面積の82%が山林で明治時代から木材の伐採集積や製材業が発達、北遠地域はスギやヒノキを主体とした人工林経営の林業が主要となっている。
国内産木材の減少と問題
浜松市の木材生産量は1979(昭和54)年をピークに下降しており、2004(平成16)年は12万立方メートルで県内の40%ほど。しかし、2005(平成17)年の農林業センサス結果によれば、総土地に対する林野面積は旧天竜市82%、旧春野町91%、旧佐久間町91%、旧水窪町94%、旧龍山村93%となっており、北遠のほとんどを占めていることがわかる。
山林所有者の多くは林業を営んでいるが、零細で極めて厳しい状況。安い輸入材に押され、国内産木材生産は低迷している。そこで浜松市では「天竜材の家百年住居る事業」、静岡県では「しずおか優良木材家総合支援制度」など木材住宅の取得に対する助成などの取り組みがおこなわれている。
スギは日本特産で軽く柔らかで建築や家具に用いられ、樹皮は屋根ふき、葉は染工の原料となる。ヒノキは日本特産、最良の建築材で幹や葉からとれる精油は香料、薬用に利用される。園芸品種も多い。また、森林は木材の提供だけでなく、国土の保全、り水資源の涵養、保健休養、二酸化炭素吸収などの機能もある。
参考
『遠州の地場産業』(静岡県西部地域しんきん経済研究所)
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