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灰縄山はいなわやま
所在地 | 浜松市天竜区春野町勝坂(伝承地) |
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内容
昔、春野町の山中にある村に、年老いて働くことができなくなった老人を山へ捨てるという定めがあった。
そんな中、どうしてもそれが出来ず、まるで捨てたかのような顔をして、そっと老母を奥の部屋へ隠している若者がいた。
ある日、領主の殿様から灰で縄を作って持ってこいと村人は命じられた。そして、もし持ってこなかったのなら、村をつぶしてしまうと言われたのだが、この無理難題に村の人々は困ってしまった。
若者は困った挙句、そっと奥の部屋へと入り、老母へ相談をした。すると、老母は藁で縄を作ってから、それを焼けば出来ると教えてくれた。
出来た灰の縄を殿様に差し上げると、殿様は驚き、誰に教えてもらったのか尋ねた。若者は、定めを破った罪で裁かれるのを覚悟しながら、母親に教わったと一切を告白した。それを聞いた殿様は、老人の尊さを見直し、老人を捨てる風習をやめるようおふれを出した。
その後、老人を捨てていた山を「灰縄山」と呼ぶようになった。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『続々・遠州伝説集』(遠州伝説研究協会)
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