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熊の親子くまのおやこ
所在地 | 浜松市天竜区佐久間町(伝承地) |
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内容
昔、佐久間町にいた一人の猟師がある雪が降る日、獲物を探しに山奥へと入っていったところ、雪がひどくなり道に迷ってしまった。
困っていると近くに洞穴を見つけ休もうと思い中に入ると、そこには熊の親子がいた。猟師は驚いたが、仕方がないので熊の横に座ると熊は猟師を襲うこともなく、また、猟師も熊を撃つこともしなかった。猟師がお腹がすいたと言うと、熊は手のひらを出してなめろというので、なめるととてもいい味がして、不思議にお腹もいっぱいになった。こうして雪が降り続ける3日間を一緒に過ごした。
雪が止み、村へ帰った猟師が山であったことを友だちの一人に話すと、いい金儲けができるといって、その熊を撃ち取ろうということになった。
二人は山の中へ出かけ、先日の洞窟の前へ来ると、穴から出てくる親熊を狙って二人同時に引き金を引いた。続いて小熊も撃ち取ると友だちは大喜びし、猟師は先日のことを思い出しながら熊の手を持とうとした。すると、死んだはずの熊が猟師ののどに食いつき、猟師は死んでしまった。
それからこの村では熊が親子でいるときはどんなときでも決して撃たないことにしている。
参考
『遠州七ふしぎの話 第2集』(遠州伝説研究協会)
『続・遠州伝説集』(遠州タイムス社)
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