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さくら塚さくらづか
所在地 | 浜松市西区舘山寺町 |
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内容
1523(大永2)年の2月のこと。
堀江勢と、堀江城に攻め入ろうとする今川勢とのにらみ合いが続いていた。
ある夜、堀江城主の養女であったさくら姫が、城内を一人散策していると、裏門のあたりで一人の敵兵の姿を見つけた。さくら姫は彼に魅力を覚え、柵の近くに歩み寄った。敵兵も同様に歩み寄り、二人の目が合うと、互いに笑いかけた。
その夜はそのまま別れたが、次の夜も二人は裏門のあたりで会い、そういった日が幾日か続いた。
1523(大永2)年3月1日の夜、不意に多数の敵兵が堀江城へ裏門から攻め込んできた。安眠していた兵もいた時間だったので、城内に入った敵と戦うのは不利であり、多くの死者を出した。
生き残った者を集め、暗闇にまぎれて城を抜け出した堀江城主は、平松村を見下ろせる小山の上まで逃げた。そして、裏門の守りが薄かったのには城内に裏切り者があるからで、誰か心当たりはないかと聞いた。すると一人の家来が、さくら姫が裏門のあたりにいたのを見かけた者がいると答えた。
それを聞いた堀江城主は怒り、さくら姫を死刑にして逆さに埋め、塚を作った。そして、その塚の上に、一株の桜の木を植えて、彼女の冥福を祈った。
その後、春に咲く塚の桜の花は彼女の哀しい思いが伝わってか、また逆さに埋められたからか、花が下を向いて咲いている。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『遠州伝説集』(遠州タイムス社)
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