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おしどり池おしどりいけ
所在地 | 浜松市北区三ヶ日町(伝承地) |
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内容
式内郷社英多(あかた)神社(現在の浜名総社神明宮といわれる)に「おしどり池」という池があった。
昔、この近くに猟師を生業とする夫婦が暮らしていた。
ある日、夫が猟に出たが、思うような獲物がなく、諦めて山を下りていたとき、英多神社の前にある池に二羽のおしどりが仲良く泳いでいるのを見つけ、一羽を射止めた。もう一羽には逃げられてしまったが、射止めた雄のおしどりを家へと持ち帰り、首を切って裏の竹藪に捨て、料理して夕飯に出した。
今日の話を妻にすると、妻は仲のいい鳥なのに可哀そうだと言った。彼女は夫が生き物を殺すのを生業としていることを快く思っておらず、もっとほかの仕事をして欲しいと思っていた。
その夜、裏の竹藪で鳥の声がしたので、夫婦は目を覚ましたが、夫は特に気に留めなかった。
次の日、夫が再び英多神社の池のほとりへ行ってみると、そこには昨日射止めることのできなかった雌のおしどりが浮かんでいた。矢をつがえても逃げようとはしなかったため、簡単に射止めることができた。
水の上から拾い上げ、よく見てみると、雌の羽の中には昨日捨てた雄の首が抱きしめられていた。驚いた彼は、昨日の妻の言葉を思い出した。それから家へ帰り、裏の竹藪の中へ雌の死骸と雄の首を一緒にして丁寧に埋めてやると、その後、猟をやめて百姓として働いた。
それからこの池をおしどり池と言うようになった。
参考
『遠州七ふしぎの話 第2集』(遠州伝説研究協会)
『遠州伝説集』(遠州タイムス社)
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