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出頃房坂でころぼうざか
所在地 | 浜松市北区都田町(伝承地) |
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内容
今は昔、都田のに大杉が一本立っていた。村人たちはこの大杉をご神木とよんで崇めていた。しかし、ある年、神木が一夜のうちに誰かによって切り倒された。
代官はただちに犯人を捕まえるように言ったが、1ヶ月経っても犯人が捕まらないので切り倒された梢の先の村から犯人を一人出すように命じた。梢の先は都田村一色を向いていたので、その村から強引に犯人を出し、この杉の切り株の上で首を切り落とした。
その夜から、青白い光を帯びた首がちかくの坂を転げ回るようになり、人々は杉の木を本当に切った人に向かって転げ下りているのだろうとうわさした。
そこで、村人たちは、ほこらを立てて供養すると、それから首は転がらなくなり、その坂を「でころぼう坂」と呼ぶようになった。里人はこの坂に地蔵をまつり、その霊を慰めた。
都田村一色の人々は、犠牲者を哀れみ、長いこと正月のお祝いをしなかったという。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『浜松の伝説 下』(ひくまの出版)
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