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呉松の大念仏くれまつのだいねんぶつ

開催地 浜松市西区呉松町
時期 8月13日
呉松の大念仏とは

毎年8月13日に行なわれる盆行事。遠州大念仏の一派に数えられるが、伝統的な要素をそのまま伝承し、先祖供養のための宗教芸能という大念仏本来の姿が残されており、他の組のものとは大きく異なる。
地元では、曹洞宗舘山寺後方にある弘法大師が開いたとされる洞穴に弾誓(たいぜん)上人が留まり、大念仏を人々に教えたという説などが伝えられているという。
1957(昭和32)年には静岡県無形民俗文化財に指定されたが、後継者不足により1965(昭和40)年前後に途絶えてしまった。その後、1995(平成7)年に地元自治会主導で保存会を発足、復活に向けた活動が始められた。1999(平成11)年8月には休止後初めての公演が行われ、以降、毎年続けられている。

 

行事順序

頭先(かしらさき)と呼ばれる組の責任者2人が先導し、続く頭(かしら)2人のうち1人はひんどうろうという飾り提灯を持つ。さらに「遠州大念仏呉松組」と書かれた幟(のぼり)を持つ者1人、双盤(そうばん)2人、大太鼓4人、小太鼓2人、笛2人、摺鉦(すりがね)2人、参加者、後押し2人といった計20人ほどが順に並び隊列を組む。
一行は道囃子(みちばやし)を奏しながら初盆宅へと向かう。庭へ入るときには「南無阿弥陀仏」を数回繰り返し、その間に回向※する目的にふさわしい歌枕※を詠唱。最後に「願以此功徳平等一切同慾提心往生安楽園」と結ぶ。
庭入りをし、庭をまわりながらそれぞれの位置へつくと大念仏が始まる。「アラッセー」の音頭で高唱念仏が始まり、お囃子がこれに唱和する。

※回向(えこう)/死者の成仏を願い、供養や法要を行うこと
歌枕(うたまくら)/死者に捧げる唄

 

使用する楽器

双盤(1対)・・・直径1尺6寸の大鉦
大太鼓(2個)・・・直径2尺1寸
小太鼓(2個)・・・直径1尺1寸
笛(2丁)・・・竹製の横笛
摺鉦(2丁)・・・直径3寸

 

衣装

頭先と後押しは羽織と袴を着用する。他の者は紋付の黒い着物に黒の三尺帯、手ぬぐいをかぶった上にあみ笠をつけ、白の足袋に草履、手には水色のテコ(手甲)といった姿。双盤と太鼓を奏する人はさらにテコと同色のたすきをかける。

 

関連項目

文化財〔民俗文化財〕

 

参考

『指定文化財のしおり』(浜松市教育委員会)
『静岡県の無形民俗文化財』(静岡県教育委員会)
『日本の民俗 静岡』(第一法規)

 

 

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