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旧遠州銀行本店きゅうえんしゅうぎんこうほんてん

郵便番号 430-0944
所在地 浜松市中区田町322-7
旧遠州銀行本店とは

1920(大正9)年6月に資産銀行と西遠銀行が合併し、当時の遠州地方最大の銀行である遠州銀行が誕生した。もともと西遠銀行の本店は1916(大正5)年3月に伝馬町へ構えられており、合併して遠州銀行となった後、1928(昭和3)年6月3日に田町へ本店を移した。
総工費は当時の半期純利益に相当する45万円。地方銀行としては相当のものであった。1923(大正12)年の関東大震災を教訓に、堅牢な建物が造られた。
その後、1943(昭和18)年に遠州銀行は静岡三十五銀行と合併して静岡銀行となり、遠州銀行本店は静岡銀行浜松支店となった。1945(昭和20)年6月18日の浜松大空襲ではあたり一面が焼け野原となる中、旧遠州銀行本店の建物は焼け残った。現在でも静岡銀行浜松営業部として使用されており、2005(平成17)年には浜松市の文化財に指定されている。

 

建物の特徴

設計者は長上(ながかみ)郡天王新田村(現:東区天王町)出身の建築家中村與資平。朝鮮や関東大震災後の東京で活躍し、浜松市内では旧遠州銀行本店の他に、浜松銀行協会などを手がけている。
1928(昭和3)年に建てられた地上3階地下1階建てのこの建物は、1923(大正12)年に起きた関東大震災の教訓から、当時最新であった鉄骨鉄筋コンクリート造が採用された。本格的な鉄骨鉄筋コンクリート造の建物としては県内初。
外壁は花崗岩張りで仕上げられており、ギリシャ神殿風の外観。正面の東側には4本のイオニア式※の円柱が3階まで伸びているのが印象的。街路に面している北側には特に装飾はされておらず、シンプルに仕上げられている。東側・北側ともに1階にはアーチ状の窓が設けられ、中央に大きな扉があるが現在出入りには使われていない。
ロビーは2階までの吹き抜けとなっており、2階部分の回廊と手すりには連続する波型のデザインが施されている。また、2階の部屋は回廊に面する形で配置されている。

※イオニア式/古代ギリシャ建築の列柱様式のひとつであり、礎盤が付き、柱頭には渦巻きの装飾が施されている

 

参考

『静岡県のとっておき建築探訪』(静岡県都市住宅部営繕総室)
『静岡県の近代化遺産』(静岡県教育委員会文化課)
『静岡県のすごい産業遺産Ⅱ』(静岡県文化観光部文化政策課)

 

 

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