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スッポンすっぽん

スッポン養殖の始まり

スッポンの養殖は1866(慶應2)年にウナギの養殖を手掛けたとされる服部倉治郎氏が東京で一匹のスッポンを捕まえ、飼養を試みたことから始まる。1875(明治8)年にはスッポンが産卵することを確認し、1877(明治10)年には初めてスッポンの人工孵化を成功させた。それ以前は天然の川・沼・湖沼に生息するものを捕獲して食用にしていたため、一般に馴染みのある食材ではなかった。その後、1900(明治33)年に成育に環境が適した浜松市西区舞阪町に中村源左衛門正輔氏の助力を得て養殖池を創設したのが浜松のスッポン養殖の始まり。しかし、繁殖させる技術や養殖上の管理の難しさ、さらに投下資本が長期にわたることから、その後の普及は限られたものだった。
スッポン養殖が普及していくと、スッポンの需要が徐々に増えいき、それに伴い天然のスッポンはさらに希少なものとなっていった。現在、市場に出回っているスッポンの多くは養殖されたもので、天然のスッポンはごく僅か。

 

養殖方法

浜松市は全国のおよそ70%を占めるスッポンの産地となっており、舞阪町の浜名湖畔で養殖が行われている。
スッポンの養殖には、産卵用と飼育用の池が必要とされる。産卵池は卵を産ませる池で、池に入れられた親スッポンは5月から8月上旬にかけて2~3回ほど卵を産む。そして砂の中に産んだ卵を掘り出して孵化場に移して生育させる。
飼育池は、スッポンは共食いする性質があるため、年に応じて分けられており、1年目のスッポン、2年目のスッポン、3年目のスッポン…と分類されている。餌は白身魚主体の独自の配合飼料を与えるが、食べる期間は4月ごろから10月ごろまでの暖かい間だけで、冬場は冬眠している。

 

参考

『遠州の地場産業』(静岡県西部地域しんきん経済研究所)
『水産の舞阪』(静岡県浜名郡舞阪町)
服部中村養鼈場 WEBページ(参照 2011.6)
 

 

 

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