紺女郎キツネごんじょろきつね
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所在地 | 浜松市東区笠井町(伝承地) |
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内容
笠井の定明寺のまわりは昔、鬱蒼(うっそう)とした森であり、いくつものキツネの穴があった。そのキツネの頭はいつも紺がすりの着物を着た美しい娘に化けるので、「お紺女郎」と呼ばれていた。
お紺女郎は決して悪いことはせず、占いをしたり、お寺のためによくお使いをしたりしてくれる便利なキツネだった。
お紺女郎はお寺の和尚たちが話すのを聞いては店に先回りして、品物を注文する。店の人は、定明寺にこんな娘がいないことを知っているので、すぐにお紺女郎と分かるが、いつも通り注文を受け、品物をお寺に届ける。そして、月末にはお紺女郎が代金を払ってくれるということで、誰も困る人はいなかった。
ある日、お紺女郎が町の薬屋に目薬を注文しに来たので、薬屋が定明寺へ目薬を届けると、和尚は目薬は必要ないということだった。おそらく、今朝方、和尚が檀家の一人にお尻にできた腫れ物が見えないという話をしたとき、お紺女郎は「見えない」というのを聞いて、思い違いをしたようだった。
そんなキツネに親しみを持って、金如呂(紺女郎)稲荷としてまつっている。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『遠州伝説集』(遠州タイムス社)
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