豊田佐吉とよださきち
誕生地 | 現:湖西市山口 |
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生年 | 1867(慶応3)年2月14日 |
没年 | 1930(昭和5)年10月30日 |
豊田佐吉とは
豊田佐吉は、トヨタグループ創業者。佐吉は母が能率の悪い手織機で木綿を織る母の姿を見て、織機発明を研究開発。豊田式木製人力織機、日本初動力織機を発明。
生涯
1967(慶応3)年2月14日湖西市鷲津に農業の傍ら大工職人の父と優しい母の長男として誕生。
幼少期はいたずら者だったが寺子屋に通う頃には急に物静かになり、人に物を聞くのが嫌で一人で考えるタイプだった。身体が弱かったため、鷲津から岡崎の岩津天神様まで願掛けに一人で歩いて以来、丈夫になった。
『西国立国篇』という本に影響されて発明を志し、昼間は大工稼業に精を出し、夜は物置小屋で研究に明け暮れる日々を過ごす。16歳の頃には観音堂に同志を集めて夜学会を開催し、さまざまな本を持ち寄って読みあったという。
特許条例が公布された1886(明治19)年、ますます発明に意欲を燃やすが、父に反対され、佐吉の研究に必要な材料費の支援をしてくれたのは、夜学時代の友人たちだった。
1890(明治23)年上野公園での全国大博覧会には、毎日通いつめ、織布機械を手帖に書き取り、再び研究に没頭したかいがあり、ついに豊田式木製人力織機を発明し、翌年特許を取得、佐吉24歳であった。
さらに1892(明治25)年2台の人力織機をつくり、織布工場をスタート。その機械が評判となり、売り上げ資金でさらに動力織機の考案を進めた。26歳で結婚して東京に住んだが、妻は発明に没頭する佐吉についていけず、やむなく離婚。
その後、不景気が続き、工場経営もうまくいかず、やむなく佐吉は帰郷した。
1895(明治28)年に発明した、かせくり機(織物を織る際に糸を枠に捲く道具)の特許を取得。翌年1896(明治29)年30歳で再婚すると、佐吉は前妻の子を引き取った。
1897(明治30)年苦労してようやく動力織機の図面が完成。約2ヶ月かけてついに豊田式木製動力織機が組み立てられた。これが日本初の小巾動力織機である。そしてこの年、石川藤八とともに、合資会社乙川綿布工場を設立し、動力織機60台を備えた大工場を稼働させた。二年後の1899(明治32)年には総理大臣大隈重信が工場を視察。1902(明治35)年には自動糸送出装置を発明し、日本とスイスの特許を取得。さらに1905(明治38)年三十八年式、1906(明治39)年には三十九年式という新織機を製造販売。売れ行きもよく、佐吉は心穏やかに各種の改良発明に専念し、自働杼換装置、投杼捍受装置、耳残り糸切断装置、経意図停止装置、二挺杼転換装置、環状織機などを次々に発明した。
1906(明治39)年豊田式織機株式会社創立。しかし1910(明治43)年業績不振で佐吉は退社を余儀なくされた。傷心の佐吉は、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、ロシアをめぐり、その旅の中で「自分が苦心したのは日本の産業発展のためだ」と思い直す。帰国後は豊田自働織布工場をはじめ、1914(大正3)年には小紡績工場を創業。1918(大正7)年には現在のトヨタ自動車株式会社の前身である、豊田紡績株式会社を設立した。
その後、豊田式動力織機を手掛かりに、さらに改良を加え、1924(大正13)年には、全金属製のG型自動織機が完成。名実ともに世界一となり、各国へ輸出された。
佐吉はその後、「これからの世は自動車だ、自動車開発をしなさい」と息子に命じて、1930(昭和5)年10月26日64歳で逝去した。
人となり
産業博覧会の際には、佐吉が毎日通ってくるため、守衛が「もう来ないように」と戒めると、彼は「機械が外国製ばかりで悔しくないのか」と答えたという。
佐吉の母は息子の成就を願い、11月の寒い中、水を浴びて願掛けをした。
佐吉は常に肌身離さず持ち歩く革製鞄があった。
この鞄にはいつも動力織機の発明図面が入れてあり、この鞄は豊田家の家宝になっているという。
「職工、女工は工場の宝。大切な人」が口癖。
「私の発明が多くの人に利用されればそれだけ国のためになる」
「わしは決して、他人より優れた天才ではない。ただ、わしは研究と努力をしただけだ」
「世の中で、出来ない事はない。出来ないのはまだ努力と工夫が足りないからだ」
会社では、海外進出を反対する人に対し佐吉は「障子を開けてみよ、外は広いぞ」と言って説得した。
参考・見学
書籍
『静岡県歴史人物事典』
『遠州機械金属工業発展史』
『湖西風土記文庫 湖西の生んだ偉人 豊田佐吉』
施設
豊田佐吉記念館
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