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兄妹地蔵きょうだいじぞう
所在地 | 浜松市天竜区船明(伝承地) |
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内容
昔、天竜川沿いの船明の村に仲の良い兄妹が住んでいた。二人とも特別の美男美女というほどではなかったが、十人なみの器量だった。しかし、年頃になってもどこからも縁談がなかった。
兄は妹を、妹は兄が、誰かと結婚して知らない誰かの持ち物となることがこの上なく嫌であったので、特に困ることはなかった。
兄妹は二人で仲良くしていたいと、いつしか夫婦のように暮らし始めた。
しかし、狭い山の中の村なため、二人の生活のことが村の人々の話題の的となっていた。そんなうわさが二人の耳にも入り、罪の重さを感じた二人は、手と手をしっかり握り合って天竜川の船明渕に身を投げた。
船明の人々はそんな二人を哀れんで、男女二体のお地蔵さまを刻み、行者山におまつりした。このお地蔵さまは「船明の兄妹地蔵」または「行者山の道祖神」として現在長養寺の境内にある。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『続・遠州伝説集』(遠州タイムス社)
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