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稚児が岩ちごがいわ
所在地 | 浜松市西区舘山寺町(伝承地) |
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内容
今の館山寺町にまだ堀江城があったころ、豊かな自然に囲まれて人々は平和に暮らしていた。しかしある時、思いかけず敵が大軍で攻めよせてきた。
城の兵たちは必死で応戦したが、相手があまりの大軍だったため、とうとう城は包囲されてしまった。水も食糧もなくなり身動きが取れなくなったので、殿様と奥方は城に火をつけ、闇にまぎれて逃れようとした。
湖に船を浮かべて逃げようとしたものの、いつの間にか向かい岸でも敵が弓を向けていた。逃げるのに無理を感じた殿様と奥方は目の前にあった岩に飛び移り、そこで自殺した。
翌朝、敵兵がその岩に近づいてみると、亡くなった奥方に抱かれて生まれたばかりの赤子が眠っていた。さすがの敵兵も涙を浮かべ、その子を育てることにした。
それから誰ということなく、その岩を稚児が岩と呼ぶようになった。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『浜松の伝説 下』(ひくまの出版)
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