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特集

【投稿エッセイ】浜名湖サイクリングの魅力

フリーランスライター 鈴木三貴子

 

浜名湖の新レジャー

浜名湖畔浜名湖のレジャーといえば、「潮干狩り」「マリンスポーツ」。そこにメジャーデビューさせたいのが「サイクリング」である。浜名湖には、浜名湖周遊自転車道が整備されている。浜松市北区三ヶ日町三ヶ日から西区舞阪町弁天島に至る延長48キロメートルの浜名湖東岸を区間とする自転車道である。また、「ぐるっと浜名湖ツーリズム」主催のサイクルイベントやサイクルスタンプラリーなども開催されており、サイクル・ツーリング人口も増えているようだ。ただ、私がおすすめしたいのは、もっと気軽で、初心者に向けたもの。学生以来ほとんど自転車に乗っていないという女性や、次の休日は何をしようと考えている家族が、ふと、「浜名湖へサイクリングに行こう!」と思えるような気軽さで楽しめることを知ってもらいたいのである。

 

気軽にサイクリング

気軽さの理由は、レンタサイクルができること。浜名湖周遊自転車道の区間に自転車ターミナル「ぐるっと浜名湖サイクリングゆーりん」が7箇所あり、1日500円で自転車が借りられる。(保証料の1000円は返却時に返金される※他のターミナルに乗り捨てた場合は返金なし。駐車場完備)。「ゆーりん」でもらえるサイクリングマップには4つのモデルコースも紹介されているので、初心者は特にこちらを参考にしてほしい。

 

おすすめコース

浜名湖畔_サイクリングおすすめしたいのは、気賀駅~三ヶ日駅の奥浜名湖コース(26キロメートル)だ。やや起伏に富んでいるが、浜名湖のさまざまな表情が楽しめ、途中、おしゃれなカフェに立ち寄ったり、雑貨屋さんをのぞいたり、景色プラスアルファが充実している。
このコースのおすすめポイント1は、「中国浙江省友好記念公園~寸座海岸」。天皇一家も訪れたプリンス岬は浜名湖有数の景勝地だが、普段、車では通り過ぎてしまうような場所だけに、サイクリングならではのビューポイントといえる。そして、寸座の急な坂を上ると高速道路が眼下に見え、近くの浜名湖サービスエリアで休憩も。ポイント2は、「青年の家~礫島」。湖岸に歩行者・自転車の専用道があり、道幅は狭いがのどかな漁村の佇まいに癒される。ポイント3は、「瀬戸~津々崎弁天」。猪鼻湖の爽やかな風に吹かれ爽快感抜群。リゾートタウンを抜けた先に湖岸道と天竜浜名湖線が平行している場所があり、運がよければ電車と併走も。レンタサイクルの場合、ゴールの三ヶ日駅で乗り捨ててもいいが、組み立て式自転車で輪行バッグがあれば天竜浜名湖鉄道に持ち込めるため、それだけでサイクリング上級者になった気分。
コースを短縮するもよし、史跡めぐりをするもよし。地元人なら何度も見ているはずの浜名湖とはまた違った景色に出会え、郷愁を抱かせる。

 

2012年3月投稿
写真・文/鈴木三貴子