秋葉山本宮秋葉神社あきはさんほんぐうあきはじんじゃ
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郵便番号 | 437-0693 |
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所在地 | 浜松市天竜区春野町領家841 |
Tel | 053-985-0111 |
Fax | 053-985-0113 |
URL | http://www.akihasanhongu.jp/ |
時期 | 709(和銅2)年(創建) |
秋葉神社とは
浜松市天竜区春野町に位置する秋葉神社は、正式名称を秋葉山本宮秋葉神社といい、全国に約400社を数える秋葉神社の総本宮。火を司る火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)を祭神とする。秋葉山に鎮座しており、山頂に上社、山麓に下社がある。
特に消防や火力発電などといった火を扱う仕事の関係者が現在でも全国各地から秋葉山へと参拝に訪れる。
709(和銅2)年に元明天皇の命令で社殿が設けられたのが創建とされるが、秋葉山はそれ以前より山岳信仰の山として敬われていた。874(貞観16)年には従五位下を授けられ、その後、1867(慶応3)年には正一位の神階を授与されている。中世には山岳信仰の聖地であり、修験の道場として修験者が入山した。そして、両部神道※の影響を受け、秋葉山の神は「秋葉大権現」と称され、各地より信仰を集めた。江戸時代には火防の神としての秋葉信仰は全国的な盛り上がりをみせ、各地に秋葉講※が結成され、秋葉山へと向かう秋葉街道は参詣者の往来でにぎわった。秋葉街道沿いには多くの常夜燈が建てられ、現在でも多くの常夜燈が残されている。
秋葉山の頂上にある上社本殿は1986(昭和61)年に再建されたもので、1943(昭和18)年に隣接するふもとの鉱山から起こった山火事で上社本殿が類焼すると、下社に本殿が遷座され、上社本殿が再建されるまではすべての神事が下社本殿でおこなわれた。
上社から少し下った表参道に建つ神門は境内に残る唯一の江戸時代の建造物。
※両部神道(りょうぶしんとう)/仏教の真言宗(密教)の立場からなされた神道解釈に基づく神仏習合思想で、日本の神と神、神と仏の関係を位置づけたもの
※秋葉講(あきはこう)/江戸時代の庶民にとって個人で秋葉山へ参詣するには多額の旅費がかかり、経済的負担が大きかった。そのため、村人がお金を出し合い秋葉講という互助組織を結成した。毎年交代で選出された講員が積み立てた旅費を使い、組織の代表として秋葉山へ参詣していた
表参道
現在、山麓から山頂へと登る表参道は、東海道自然歩道として整備されており、徒歩約2時間の上り坂が続く。途中には茶屋跡や賭場跡、常夜燈などが残され、江戸時代の賑わいを感じることができる。また、子安地蔵や武田信玄ゆかりの岩などもある。
神宝
秋葉神社には武将や大名らから献納された刀剣49口が神宝として伝わっている。
その中でも「太刀 銘安縄(やすなわ)」「太刀 銘弘次(ひろつぐ)」「太刀 銘来国光(らいくにみつ)」は国の文化財に指定されている。
【太刀 銘安縄】
刃長70.7cm 反り2.2cm 元幅2.8cm 先幅1.8cm 茎長19.1cm
平安末期から鎌倉初期に活躍した古備前派の刀工安縄の作品で、現存する作品は極めて少ない。誰によって奉納されたのか不明。
【太刀 銘弘次】
刃長70.5cm 反り2.0cm 元幅2.8cm 先幅1.8cm 茎長17.5cm
備中国青江派の刀工弘次により作られた数少ない作品の一つ。今川左衛門尉仲秋(いまがわさえもんのじょうなかあき)によって奉納された。
【太刀 銘来国光】
刃長71.5cm 反り2.6cm 元幅2.75cm 先幅1.6cm 茎長19.1cm
鎌倉中期から末期にかけて活躍した山城国(現:京都府)来派の刀工来国俊(らいくにとし)の子供である来国光の作品。阿部豊後守(あべぶんごのかみ)の奉納と伝えられる。
祭り
秋葉神社では1年を通して30にも及ぶ神事が営まれている。
4月21日に行われる春祭は五穀豊穣と国家安泰を願い、禰宜(ねぎ)が右手に鳴鏑矢(なりかぶらや)を、左手に弓を持ち、弓弦を鳴らして災厄を祓う舞を行う鳴弦(めいげん)神事が行われる。
5月3日の手揉献茶祭(てもみけんちゃさい)は製茶の重要な行程である手揉み作業が焙炉※で行われ、火と深く関わっているということから伝統技術の保存と火の神への感謝を込めて戦後からはじまった。八十八夜に摘んだ茶葉を手揉みして新茶をつくり、神前に奉納される。
また、3年に1度、11月3日に行われる式年神幸祭(しきねんしんこうさい)は1986(昭和61)年に上社本殿が再建され、遷座祭が行なわれたのを機に始まった。氏子区域にあたる天竜区春野町・龍山町・二俣町を“秋葉”の文字が染め縫われた法被姿の氏子が神輿を担いで巡行する。
そして、数々ある祭の中でも有名なのが、12月15、16日に行われる秋葉の火まつり。16日夜に行われる防火祭(ひぶせのまつり)では、弓・剣・火の三舞の神事が繰り広げられる。
※焙炉(ほいろ)/製茶用の乾燥炉
参考
『週刊神社紀行 秋葉神社』(学習研究社)
『ももとせ』浜松市制百周年記念誌(浜松市)
浜松といえば
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