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草木の霜月神楽くさきのしもつきかぐら

開催地 綾村神社(浜松市天竜区水窪町奥領家)
時期 12月13・14日
草木の霜月神楽とは

もともと水窪町の各集落では旧暦11月の冬至に合わせて霜月祭(しもつきさい)が行われており、この時に各神社で奉納されるのが霜月神楽。
水窪の霜月神楽は湯立(ゆだて)神事が中心であり、神前で釜湯を煮え立たせ、榊や笹で湯をふりかけて身を清める。その後、神楽を舞って神々を送迎し、豊穣への感謝と村の安全を祈願する。

兵越峠(ひょうごしとうげ)手前、天竜区水窪町の草木地区にはその霜月神楽が残されており、古くは霜月祭のことを「お清め祭」と呼んでいた。心身を祓い清め、再生を図るという元々の意味を表わしている。毎年12月13・14日に草木の綾村神社で神楽が行われる。
綾村神社の建物はそのまま舞堂となっており、舞堂の中央より少し勝手場寄りに炉が設けられており、神事の際にはここを湯殿(ゆどの)とし、湯立ての釜が置かれる。そして、炉の四隅には竹が立てられ、2本のしめ縄を周囲に張り、シメタレが下げられる。釜の中には「浜水」と呼ばれる天竜川の水を入れ、「湯蓋」という小さな板に取っ手がついたものを浮べて釜の上には「湯げた」と呼ばれる2本のヒノキの棒が十文字に渡される。

 

祭礼順序

【13日 宵祭り】
1.神前のおつとめ 2.楽のきよめ 3.湯ばやし 4.湯火のおこない 5.湯の口開き・玉取り 6.はらい 7.みかぐら 8.もろ湯(神名帳) 9.剣の舞
【14日 本祭】
1.神前のおつとめ 2.楽のきよめ 3.湯ばやし 4.湯火のおこない 5.湯の口開き・玉取り 6.はらい 7.ぶたい 8.みかぐら 9.倉入れ 10.ご神供上げ 11.おいしばちの舞 12.ご神供下げ 13.おんべい納め 14.もろ湯(神名帳) 15.剣の舞 16.神送り

 

神楽演者

太夫、釜洗い、小禰宜(こねぎ)によって神楽が行われる。
また、太夫を湯の父、釜洗いを湯の母とし、この二役を夫婦という。神楽歌の中にも「湯の父~」「湯の母~」という言葉があり、それぞれ太夫と釜洗いをさしている。

【太夫】
祭主として神事を執り行う。一度太夫となると死ぬまで神事に関わることとなる。
世襲制ではなく、神事について詳しく、高潔な人物が選ばれる。
【釜洗い】
副祭主であり、祭り内で食べられるものは釜洗いが真先に食べ、毒味をする事となっている。
伊豆権現を祀っている家の者が務める決まり。
【小禰宜】
祭りでは舞や太鼓・銅拍子の演奏を主に行い、太夫を助け、祭りを円滑に執り行う役。
小禰宜の中で最も経験豊かな者は座頭(ざがしら)と呼ばれ、湯の口開き・玉取りなどの演目を行う。

 

参考

『静岡県民俗歳時記』(静岡新聞社)
『草木の霜月神楽』(水窪町教育委員会)
『村ごとの舞』(静岡新聞社)

 

 

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