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旭軒理容所

二俣街道（国道152号）の東側に並行してある古い通り沿いに建っている。
1970（昭和45）年頃に玄関の左右部分を前面に70cm張り出す形で増築したが、建具は使われていたものをそのまま用いており、建築当初の姿を保ちつつ増築された。
現在も営業を続けている。

建物の特徴

昭和初期に建てられたこの建物は幅7.3m、奥行3.7mの木造平屋建て。全体的には桟瓦※葺で切妻造※だが、玄関部分は入母屋※型で金属板平板葺のペイント仕上げとなっている。外壁は板張ペイント仕上げで一部が漆喰塗となっており、腰壁部分が洗い出し※仕上げ。外壁のペイント部分には理容施設を示す白・赤・青の3色が主に使われ、所有者自らが数年おきに塗りなおしている。正面や側面には多くの引き違いか嵌め殺しの窓があり、白色に塗られた幾何学模様の組子の間に赤・青・緑の色ガラスやすりガラスなどがはめ込まれている。
建物内部は腰壁と天井が漆喰（しっくい）仕上げとなっている。腰より上はほとんどがガラスの窓で、残る壁部分は大きな鏡が占めている。
全体的に大正・昭和初期のモダニズムを感じさせるデザインとなっている。

※桟瓦（さんかわら）／断面が波形をした瓦
切妻（きりづま）造／屋根最頂部の棟から両側へと広がる形状の屋根をもつ建物
入母屋（いりもや）／屋根上部は切妻屋根のように棟から二方向へ広がっており、下部は寄棟屋根のように四方向へと広がる形状の屋根
洗い出し／表面が乾かないうちに水洗いをして、小石を浮き出させたもの

参考

『昔に出会う景観紀行』（浜松観光コンベンションビューロー）
『静岡県の近代化遺産』（静岡県教育委員会文化課）
 

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