やら米かやらまいか
浜松の水稲栽培
水稲栽培は浜松市内全域で行なわれており、お米の転作作物としての酒米も一部で生産されており、地酒もつくられている。
特別栽培米である「やら米か」は2008(平成20)年3月に浜松市商工会議所から浜松地域ブランドに認定され、7月には静岡県から中小企業地域資源活用促進法に基づく地域資源に指定された。
やら米か生産への取り組み
安全で安心なお米を地元消費者に届けようという研究活動が2004(平成16)年に始まり、2006(平成18)年のエコファーマー認定を経て特別栽培米の研究へと進んでいった。畜産農家から堆肥を提供してもらい、化学肥料を減らすことによる収量、品質、食味などへの影響を調べ、2007(平成19)年から本格的に「やら米か」の生産がスタート。浜松地域特別栽培米研究会の会員9名が11ヘクタールの水田で取り組んだ結果、香りよく適度な粘りがあり高品質とのお墨付きをもらうことができた。2008(平成20)年には会員11名、作付面積28ヘクタールへと拡大し、2009(平成21)年からは学校給食へも提供されている。
また、お米講座も開かれており、2010(平成22)年度から稲作体験「やら米かくらぶ~田んぼの学校~」が開催されている。
特別栽培米
特別栽培米とは農林水産省の特別栽培農産物に係る表示ガイドラインにしたがって、農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量が慣行レベルの50パーセント以下で生産されたお米のこと。静岡県での慣行レベルは、農薬の使用回数は一般品種17回、コシヒカリ15回のところ特別栽培米では一般品種8回、コシヒカリ7回。化学肥料の窒素成分量については一般品種9㎏/10a以下、コシヒカリ7.5㎏/10a以下のところ、特別栽培米に関してはそれぞれ4.5㎏/10a以下と3.7㎏/10a以下となっている。さらに使用可能農薬の特定など10の独自基準がある。
収穫した特別栽培米の中でも特に厳選されたお米だけが「やら米か」と認められる。農産物検査の外観品質が1等米、玄米のタンパク含量が7パーセント未満、美味しさの目安となる食味値が80以上(食味値は100を満点とし日本産の米は60-65が標準)、さらに調整段階では1.85ミリのふるいにかけて粒が揃った米だけが「やら米か」を名乗ることができる。「やら米か」は浜松地域特別栽培米研究会の一部会員が直売しているほか、JAファーマーズマーケットや浜松市内の一部米店でも販売。また「やら米か」使用のおむすびや弁当、ロールケーキやバウムクーヘンに加工されたりもしている。
参考
『浜松市農政課ヒアリング』
『明日も元気!はままつ農業』(浜松市役所)
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