飢饉と三岳神社ききんとみたけじんじゃ
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所在地 | 浜松市北区引佐町三岳(伝承地) |
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内容
1783(天命3)年の3月のこと。引佐の北部の山間の村に一人の乞食(こじき)ふうの老翁が各家を巡っていた。
老翁は決して食を乞うのではなく、人々が飢饉で困っているのを見ると、ソバのからや大根の葉の部分、エノキの新芽などを飯に入れたり、餅にしたりして食べると命をつなぐことができると教え歩いていた。そして、いつの間にかいなくなってしまっていた。
前年は、春から天候不順で雨ばかりが多く、夏から秋にかけて十数回もの暴風雨があり、また、寒冷が早く来たため、作物は実らず、収穫は皆無だった。しかし、備蓄があったため、どうにか凌ぐことができていた。
その年、前年とは打って変わって雨が降らず、作物は枯れて収穫は皆無となっており、大飢饉が起こった。
しかし、老翁のおかげで代用食を用意できた村民たちは、不作でも餓死から逃れることができた。
老翁に感謝した村民たちは、あれは三岳の権現様の御使いに違いないと言うようになった。
参考
『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)
『続・遠州伝説集』(遠州タイムス社)
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