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猫の恩返しねこのおんがえし

所在地 浜松市天竜区水窪町(伝承地)
内容

昔、善住寺に三代もの住職に飼われた一匹の老猫がいた。
ある夜、この猫が和尚の夢に現れ、自分は生涯を終えるときが近くなったので、明日、和尚が信濃のほうへ法事で行くが、その途中で恩返しをすると言った。

 

次の日、和尚が信濃に行く途中に寄った峠で、庄屋の大旦那の葬式が行なわれていた。
善住寺の老猫が、棺の中に入っているはずの大旦那の遺体を隠したことに気付いた和尚は、そのことを葬式中の家へ知らせてもらった。

 

葬式はその村にある法行寺の和尚が行なっていたのだが、棺の中は空だと伝えられ、中を確認すると、やはり、中に遺体はなかった。法行寺の和尚がお経を読んでも死体は棺に戻らなかったため、善住寺の和尚を呼んで、お経を読んでもらうことにした。善住寺の和尚は、法行寺が善住寺の子寺となることを条件にお経を読むことを承諾した。善住寺の和尚がお経を読むと、しばらくして棺の中でがたんと音がし、蓋をあげると遺体が戻っており、みんなが感謝した。

 

その後、善住寺の和尚が用事を済ませて寺に帰ると、老猫の姿はなく、和尚は猫を厚く葬った。
法行寺は善住寺よりも大きな寺で、他国であったにもかかわらず、善住寺の小寺として、献物を持っいくるようになった。

 

参考

『遠州七ふしぎの話 第2集』(遠州伝説研究協会)
『遠州伝説集』(遠州タイムス社)
 

 

 

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