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きく

概要
国内に流通する花の3~4割が菊であり、浜松市は全国でも屈指の菊の産地。温暖な気候を利用し、浜名湖周辺地域を中心として、市内全域で輪菊・小菊・スプレー菊が栽培されている。浜松市は静岡県内の82%のシェアを誇り、2006(平成18)年には国内5位となっている。特に年末に収穫される小菊は品質・数量ともに日本一。
 
 
浜松の菊栽培
浜松での菊は大正時代初期に浜松市南部の芳川地区で夏菊が栽培されたことから始まる。そして、さらに秋寒菊の栽培が始まり、芳川地区を中心に生産されていた。昭和に入ると、西部の庄内地区でも栽培されるようになり、また遠州生花栽培組合が結成され、生産の増大と技術向上に努め、花き栽培の基礎が築かれた。しかし、当時の菊作りは一部の人の独占状態だった。菊作りは戦中の食糧難の時代に一時中断したが、1948(昭和23)年頃から再び栽培が始まり、栽培技術が普及していったため、庄内・和地・伊佐見の各地区でも白菜などの重量野菜に代わって露地菊が栽培されるようになった。その後、各地で露地栽培とともにメロン温室の冬期利用として夏菊栽培が行なわれ、遮光や電照の導入によって、1960(昭和35)年までの10年間で栽培が倍増するほど発展していき、1965(昭和40)年には愛知県に次いで静岡県が2位となっている。昭和50年代に入ると三方原用水の導入により水が自由に使えるようになり、露地菊はビニールハウスを中心とした栽培へと変わっていった。また、消費者ニーズを捉えた新しい菊として、1974(昭和49)年に農林水産省主催の研究会により、弁天島で一茎にたくさんの花をつけるスプレー菊の栽培に対して関心が高まり、1980(昭和55)年には組織が結成され、生産が本格化していった。そして、1989(平成元)年にはスプレー菊の中でも中小輪の多花性タイプの菊を扱う生産組織が結成された。
以前は露地栽培が中心であった菊だが、浜松市では現在、大規模な施設園芸によって栽培がおこなわれている。従来キクといえば葬式やお盆に使う仏花や正月の需要がほとんどであったが、最近はフラワーアレンジメントや花束にも重宝されている。

 

 

参考
『遠州の地場産業』(静岡県西部地域しんきん経済研究所)
『静岡県 農・林・水 産地ガイド』(関東農政局静岡統計情報事務所)
『明日も元気!はままつ農業』(浜松市役所)

 

 

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