河童の証文かっぱのしょうもん
所在地 | 浜松市北区都田町(伝承地) |
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内容
今は昔、都田川に悪い河童が棲みついていた。都田川と中川のさかいは瀬戸と呼ばれていて、このあたりに雄渕(おぶち)と雌渕(めぶち)という二つの淵があった。
河童はその二つの渕に住んでいて、よく渕に人を引きずりこんで溺れさせていた。
毎日のように人々にいたずらをするこの河童に村人たちはすっかり困っていた。これを聞いた村の和尚は、河童を懲らしめることにした。
和尚が7日間、渕のかたわらに立ってお経を読み続けていると、渕の水が熱湯のように熱くなった。これには河童もたまらず、川から飛び出して謝り、もう悪さをしないから許して欲しいと言う。
和尚に証文を書けと言われた河童は、これに従い証文を書き和尚に手渡した。しかし証文の字は、和尚以外に誰も読むことができなかったそうだ。
これより後、河童は悪いことどころか姿を現すこともなかった。
参考
『遠州伝説集』(遠州タイムス社)
『遠州七ふしぎの話 第2集』(遠州伝説研究協会)
『浜松の伝説 下』(ひくまの出版)
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