お松火おまつび
所在地 | 浜松市東区松小池町(伝承地) |
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内容
100年以上前のこと、中ノ町村松小池にお松という若い女がいた。彼女は、近くの笠井上村に住む権七という青年と恋に落ちた。二人は毎晩のように会い、将来もずっと一緒にいようと誓いあっていた。
しかし、頑固なお松の父、源右衛門(げんえもん)は娘の恋愛を許すことができなかった。怒った源右衛門は、お松を家に軟禁し一歩も外には出られないようにしてしまう。恋しい彼に会えなくなり、お松は日々悲しく過ごすことになった。ある晩、お松と権七はそっと家を抜け出し村の貯水池へと向かう。「この世で結ばれぬなら、せめてあの世で」と二人は池に身を投げた。
次の朝、二人の死体が見つけられるとすぐに村中の評判となった。多くの村人が同情した。しかし、源右衛門は、「親不孝者め」と死体を叱りつけ、許すことはなかった。情死したのだから一緒に埋めよという村人の意見も聞かず、源右衛門はお松を松小池に、権七を笠井上村にと別々の場所に埋めた。
するとそれから暗い静かな晩には、松小池から笠井に通じる田んぼ道に怪しい火の玉が通るようになった。村人たちは、お松が権七に会いに行こうとしているのではないかと考え、夜にその道を通るものは誰もいなくなった。
このお松の火の玉は大変なうわさになり、噂にたえかねた源右衛門は改めてお松と権七を夫婦として同じところに埋めた。すると、その後から火の玉が出なくなったといわれている。
参考
『遠州伝説集』(遠州タイムス社)
『遠州七ふしぎの話』(遠州伝説研究協会)
『浜松の伝説 下』(ひくまの出版)
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