泣く子坂・泣き子地蔵なくこさか・なきこじぞう
所在地 | 浜松市中区成子町(伝承地) |
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泣き子坂
成子町にある小山には一本の坂道が通っており、坂を上ったところには石のお地蔵さまが立っていた。木の葉や草に埋もれ、通る人もまれだったため、お地蔵さまのそばに度々捨て子があった。
子どもがよくこの坂で泣いていたので、「泣く子坂」と呼ばれるようになり、そして、それがなまって「成子坂」というようになった。
泣き子地蔵
担い笊(ざる)にいっぱいの魚を入れ、天秤棒で担いで浜松へ売りにきた漁師がいた。一方の笊だけを売ったところで夕方になってしまった。
片方だけ軽いのではバランスが悪いと、近くにあった小さなお地蔵さまを空になった笊に入れて家まで帰り、お地蔵さまは家の近くに捨てて置いた。
すると、夜に漁師を呼ぶ声がするので行ってみると、お地蔵さまが元の所に帰りたいと目から涙があふれさせながら言っていたので、急いで元の場所に返した。
それから「泣き子地蔵」と呼ばれるようになり、のちに「成子地蔵」と名づけられた。
参考
『遠州七ふしぎの話 第2集』(遠州伝説研究協会)
『浜松の伝説 上』(ひくまの出版)
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