身代り黒地蔵みがわりくろじぞう
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所在地 | 浜松市中区八幡町(伝承地) |
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内容
今は昔、浜松城主の一行が野口(現:野口町)の辺りを通った時のこと。突然、案内役の勘右衛門(かんえもん)の名前を呼ぶ声が聞こえた。
周りを見まわすと、なんと声のした辺りから光が射しだしているではないか。そこを掘ったら、ら黒いお地蔵さまが出てきた。そこで信心深い勘右衛門はお地蔵さまを家に持ち帰り、仏壇でおまつりした。
その夜、お地蔵さまが勘右衛門の枕元に現れ、お前の身体はまもってやるから万福寺に自分をおさめてほしいと言った。勘右衛門はお地蔵さまを萬福寺におさめ、境内にお堂を建てて丁寧にまつってあげた。
それから一年後のある日、勘右衛門は若い武士に呼び止められ、数日後に池川のつつみで会う約束をしてしまう。当時、刀の切れ味を確かめるため罪のないものを試し斬りする武士が良く出現していた。自分も斬られる羽目になると感じた勘右衛門は、命を守ってくれるよう黒地蔵にお祈りをした。
約束の日、やってきた勘右衛門に武士は、やはり斬りかかった。肩先から胸の辺りまで斜めに斬られ、勘右衛門は倒れた。しかし、朝になり目を覚ますと、なんと斬られた傷がないのである。
お地蔵さまのところへ行くと、お地蔵さまには肩から胸にかけて斜めに斬られた刀のあとがるではないか。勘右衛門は思わず手を合せたという。
参考
『遠州七ふしぎの話』(遠州伝説研究協会)
『浜松の伝説 上』(ひくまの出版)
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