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米津浜の雨ごいよねづはまのあまごい

所在地 浜松市南区米津町(伝承地)
内容

文化年代のある年の夏、ひどく日照りが続いた。春から一滴の雨も降っていなかったのだ。このままでは稲が枯れ、年貢を納めることができないと市野の人たちは困り果ててしまった。

 

そこで、皆で相談した結果、宗安寺の和尚さまに雨ごいをお願いすることにした。和尚さまは、雨ごいの祈祷(きとう)をすれば大雨が降り洪水が起きると告げた。村人たちは、それでも構わないから祈祷してくれるよう頼んだ。

 

和尚さまはすぐに祈祷を始めたのだが、満願の7日目になっても一粒の雨も降ることはなかった。不安がる村人たちだったが、和尚さまは自信満々で「最後の祈りをするから、米津浜に一緒に来い」と言う。それで、皆で米津浜へ向かったのだが、その時、和尚の言い付けで二つの大きな長持(ながもち)も持っていった。村人は誰も、中に何が入っているのか知らなかった。

 

米津浜に着き、和尚さまが海の竜神に向かって一心にお祈りをしていると、空が曇り、豪雨が降り出した。すると、和尚さまが突然長持を開けるように言い、開けてみるとそこには笠がいっぱい入っていた。村人たちはその笠をかぶり、喜びながら家路についた。しかし、和尚さまが言った通り洪水が起きて、田んぼは水浸しになってしまった。それでも村人たちは「日照りよりはまし」と楽しげに田んぼを眺めたそうだ。

 

参考

『続・遠州伝説集』(遠州出版社)

『ふるさと再発見 遠州の民話』(静岡新聞社)

『浜松の伝説 上』(ひくまの出版)

 

 

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