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浜松まつりはままつまつり

開催地 浜松市南区中田島1313
浜松まつりとは

現在、浜松まつりは毎年5月3日、4日、5日に昼は凧揚げ合戦、夜は御殿屋台の引き回しが行われ、200万人の人手で賑わう。

 

浜松の凧揚げ

浜松の凧揚げの所以は、永録年間に曳馬(浜松)城主の飯尾豊前守の長男(義廣)誕生を祝い凧を揚げたのが始まりと伝わるが、現存する資料からはっきりしていることは江戸時代中期以降から始まったと考えられる。

江戸時代後期には浜松城主だった水野忠邦が「派手な凧を禁止し、料理も質素に」と命じていることから、かなり盛んに派手な凧揚げが行われていたことが想像される。

現在の浜松まつりで見るような初凧や凧合戦が本格化したのは明治時代中期。場所は決まっておらず、ある町内の凧が揚がっているのを見ると、糸をかけさせてほしいと申込み、合戦を行っていたようだ。

凧を揚げる町が増えてくると、田町の大安寺下、法雲寺前、北寺島の機関庫建設用地などにいくつもの町組が集まり合戦をくりひろげた。

さらに広い総合会場がもとめられ、1910(明治43)年当時の浜松町長鶴見信平の尽力で伊場の鉄道工場建設予定地を借用。多くの町が集結するため、識別の必要から幟旗や提灯、法被などの服装が整ってきた。

鉄道工場が操業を始めたため、大正初期に会場は和地山練兵場(現和地山公園)で開催。この頃は毎年5月1日~5日まで行われ、40町ほどが参加していたという。
凧の数が多くなったことから、相互連絡のため、1914(大正3)年に浜松市連合凧揚会、1916(大正5)年には統監部が結成された。

1922(大正11)年浜松に由緒深い徳川秀忠の産土神の五社神社を市の総社とし、5月4日を例祭日として凧揚げ町組の代表者が参拝する事に決定。このころ酒井真邑著「浜松城記」が発見され、そこに記された記事から浜松の凧揚げが飯尾豊前守の長男誕生を由緒とするのが一般的になっていった。

1929(昭和4)年には豪華な御殿屋台が野口町と八幡町に現れ、以降ほとんどが御殿屋台となった。

第二次世界大戦中は中断したものの、戦後1947(昭和22)年に浜師寄宿舎グラウンドで復活。1950(昭和25)年「浜松凧揚げ祭り」から「浜松まつり」に改称。1967(昭和42)年から中田島砂丘で行われるようになった。

※1926(大正15)年屋台数62

 

浜松凧と糸きり合戦

浜松凧は正方形で真ん中から尻尾骨が出ているのが特徴。
糸きり合戦をするので、骨組みは細かく頑丈に作られている。
大きさは十帖(3.64m)までと決められているが、合戦には四帖

(2.4m)か六帖(2.9m)が最適といわれる。
糸は親糸3本、小糸24本程を取り付け、尻尾(縄)をつけてあげる。

糸は太さ5mmの麻糸と決められている。
糸きり合戦は、互いの糸を絡ませ、摩擦させて糸を切りあい、相手の糸を切った側が勝者。
糸の掛け方は、相手の糸の上に乗せる「ちょん掛け」と相手の糸を下からすくい上げる「釣揚げ」の2つの方法がある。

 

囃子

明治末期、森三之助という凧好きの俳優が一座を引き連れて凧合戦に参加し、その帰りに鐘や笛、太鼓などの鳴り物を入れて賑やかに帰ったのを他の町もまねするようになったのが始まりといわれる。

 

屋台

大正初期、凧揚げ会場に各町内から出向く際に、弁当や湯茶などを大八車に乗せて運んだのが次第に華やかになっていったと考えられている。大八車から1915(大正4)年には浜松独特の底抜け屋台が登場し、歩きながらお囃子をするようになり、さらに1922(大正11)年~1923(大正12)年には囃子連が乗る桟敷屋台ができ、昭和初期になると御殿屋台が登場。戦災でほとんど消失してしまったが、戦後昭和30年代に多くの屋台が作られ現在に至る。

 

浜松まつり会館

1985(昭和60)年浜松まつり会館オープン。凧や御殿屋台が展示され、映像で浜松まつりの様子を見ることができる。

浜松南区中田島1313(1985(昭和60)年4月17日オープン・平屋建1696.54㎡)
ロビーには日本全国の有名な凧が展示され、展示室の映像では1558(永祿元)年から伝承されている凧揚げ合戦の様子や豪華絢爛名屋台行列や練りの様子を映像と音響で再現。現在浜松まつりで使われている凧糸は浜松まつり会館で製造され、参加町に配布されている。

会館内に展示されている御殿屋台は浜松市制80周年記念事業として製作され1992(平成4)年3月に竣工したもの。唐破風軒愵(のきがらみ)入母屋造りで総事業費は六千万円。

 

参考

浜松まつり会館パンフレット
浜松市博物館2006「凧」
浜松市史

 

 

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