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川合花の舞かわいはなのまい

開催地 八坂神社(浜松市天竜区佐久間町川合)
時期 10月最終土曜日
川合花の舞とは

旧暦冬至のころに東三河や南信濃で行われる花神楽・霜月祭・お潔め祭などと同じ系統の祭り。遠江では花の舞と称され、湯立神楽であることが特徴。
当地のものは、毎年10月末に天竜区佐久間町川合にある八坂神社境内で行われる湯立て神事である。鎌倉時代末期に修験者たちによって伝えられたといわれ、現在でも川合花の舞保存会によって奉納されており、1976(昭和51)年には静岡県無形民俗文化財に指定された。
かつては夜を徹して舞ったとされるが、今ではいくつかの舞を省略し、夕方から深夜にかけて行われている。
拝殿前に設けられた4.5m四方の舞処(まいど)は、柱で区切られ、しめ縄が張られており、その中央には湯立ての釜が据えられている。そして、釜の真上にはキリコと呼ばれる華やかな色紙で飾られたユブタ(湯蓋)が下げられる。
舞手はしめ縄の内側で舞い、その周りで笛・太鼓・鈴が奏され、唄がうたわれる。
三河の花祭の影響が濃い。
 

舞の演目

1.地固めの舞 2.扇の二つ舞 3.八千代の二つ舞 4.ボウズカの二つ舞 5.金山の二つ舞 6.扇の三つ舞 7.花の三つ舞 8.八千代の三つ舞 9.金山の三つ舞 10.山見鬼 11.扇の四つ舞 12.八千代の四つ舞 13.ボウズカの四つ舞 14.花の四つ舞 15.金山の四つ舞 16.榊鬼 17.おかめの舞 18.湯立の舞 19.湯上げ
※二つ舞は2人で、三つ舞は3人で、四つ舞は4人で舞う。

【地固め舞】
男の一人舞。太鼓のバチを持ち、舞処を踏み固める。

【扇の舞】
子供の舞。右手に扇、左手に鈴を持つ。

【八千代の舞】
子供の舞。右手に扇、左手に八千代と呼ばれる木製刀を持つ。

【ボウヅカの舞】
右手に扇、左手にボウヅカと呼ばれる色紙の飾りが付いた木製刀を持つ。

【金山の舞】
頭に白い鉢巻きを巻き、右手に扇、左手に剣を持つ。

【花の舞】
小学生低学年の舞。頭に花笠と呼ばれる冠をかぶり、右手に扇、左手に鈴を持つ。

【山見鬼】
金山の舞を舞った男たちが松明を持ち、真赤な衣装に大きな鬼の面をつけて手にはまさかりを持った山見鬼を舞処へと誘導する。そして、火の回りで反閇(へんぱい)という邪気を静める足踏みを行う。やがて「テーホヘ、テホヘ」というような掛け声がかかるようになると、囃子が変わり、鬼はまさかりで舞処の上に吊り下げられたハチノス(蜂の巣)を叩き落し、乱舞する。

【榊鬼】
榊の枝を持った鬼が登場し、反閇をしながら五方へ舞う。やがて囃子が変化すると禰宜(ねぎ)が登場し、鬼との問答が始まる。問答に負けた鬼がまさかりを振り上げて暴れだすと、2匹の共鬼(ともおに)もそれに従い釜の下の火を四方にかき散らし、鬼たちは舞処を暴れまわって退場する。

【おかめの舞】
おかめ・おたふく・うずめ・翁の面をつけた4人の舞。藁草履と五平餅を手に持ち、舞処から飛び出した4人は、見物人に五平餅のたれをぬりつけながら舞うため、境内は騒然とする。

【湯立の舞】
白装束を着た4人の男による舞。釜の湯を湯たぶさ(藁を束ねたもの)に含ませ、そのしぶきを見物人へ振りかける。

【湯上げ】
禰宜が祈祷した後、釜の湯を湯桶に汲み、神前に供える。

 

関連項目

文化財〔民俗文化財〕

 

参考

『静岡県の民俗芸能と伝統音楽』(静岡新聞社)
『静岡県の無形民俗文化財』(静岡県教育委員会)
『静岡県民俗歳時記』(静岡新聞社)
『村ごとの舞』(静岡新聞社)
『『花の舞』について‐川合花の舞を中心に』(『日本文化研究』NO.13、須田悦生)

 

 

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